第41回 下請けIT産業に未来はあるのか?

http://smallbiz.nikkeibp.co.jp/members/COLUMN/20040917/105340/
下請け会社から自立した会社になるためには...

直ビジネスの特徴を、下請けビジネスとの対比で概観すると…
・要求定義等、これまで未経験だった上流工程を手掛ける必要あり
・高い技術力が問われる
・全て自前でできないので、パッケージ・ツールベンダーの代理店を兼業する必要あり
・売り物を明確にしても、売れるかどうかは分からない
・ユーザーを納得させる高度な営業力が必要
・価格交渉は甘くない
・プロジェクト管理を少しでも誤れば、赤字プロジェクトに転落する
・トラブルのクレームを受けて対処しなければならない
・仕事の手離れが悪く、無料保守も必要になる
 下請け社長にはあまりに高いハードルばかりです。

中小企業の経営者と接した経験がなかったために...

下請開発しか経験していませんから、土壇場でカネを出し渋る人たちが日本にいることなど理解できません。私も世の中が全く分かっていなかったのです。この鉄火場が普通の中堅・中小企業ビジネスの世界だと初めて身体で知ったわけです。

ある開発ツールを扱っているベンダーから声をかけられました。「徒手空拳では話にならない」「お客に訴える何かを持たねばならない」「このツールさえあれば、仕事が一杯とれる」と…。

ベンダーが下請けベンダーをカモにするのは、技術の変革期には多いです。無知な下請けベンダーは焦って飛びつきます。ですが、そうそううまい話が世の中にあろうはずがありません。

最初は手ぶらでお客さまを訪問してもよいのです。そのうえで、お客さまの潜在ニーズを掘り起こし、自社の商品・サービスを次第に修正していけばよいのです。